前職は護衛艦の艦長 国家元首と直接対応も
現在、我々のような国内メディアに加え、海外メディアの取材対応も行う、海上幕僚監部広報室の泉敦2等海佐。他にも、海上幕僚監部のSNS、ホームページによる情報発信、ドラマ等の撮影協力も担当。今年8月15日に公開予定の、実際の駆逐艦をモデルにした映画「YUKIKAZE雪風」の撮影サポートも同広報室が行った。実は泉2佐自身、海上任務を主として活動してきており、前職では護衛艦の指揮を執る艦長であった。
「艦長は自身の護衛艦に与えられた任務を達成するために全乗組員を指揮統率するのが仕事です。護衛艦には砲術、航海、通信、電子整備などスペシャリストが揃っています。彼ら一人ひとりの能力と適性を理解し、正確に任務を果たすのはもちろん、全員無事に帰還させるのも艦長の役割。任務は2、3ヶ月にわたる場合もあるため、適度な緊張感を持ちつつも、艦上でイベントを企画し気分転換したり、休息をしっかり取らせたりと、メリハリを持たせることを意識していました」
乗艦する隊員たちの命を預かる責任のほかにも、艦長にはさまざまな重責があったと、泉2佐は振り返る。
「警戒監視や海外の艦艇と合同訓練などを行う場合、当然ながら護衛艦の活動の責任は艦長である私にあります。一つの間違いが安全保障問題に発展する可能性もあり、その緊張感は計り知れません。一方で、来日した他国の国家元首が艦を視察した際には直接対応することもありました。その体験は貴重だったと思います」