
NIPPON★世界一 (32)

●フリーダム株式会社 ●横浜市神奈川区(研究所)
●2001年設立 ●従業員数5名
Eye Love Water
フリーダム株式会社
日本にある世界トップクラスの技術・技能?。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
過熱蒸気発生装置「Nano Air」(本紙26号に掲載)など、世界的な製品を世に送り出してきたフリーダム。今回は、同社が4年前に完成させた、白内障などに効果が高い洗眼液をご紹介する。開発を始めたきっかけは、「白内障で困っている母親を助けたい」との思いだった。
(取材/袴田 宜伸)
取材日は8月初旬。半年ぶりにお会いしたフリーダム・CEOの高藤恭胤(たかふじやすたね)氏の顔は、きれいな小麦色をしていた。聞けば、フィリピンから帰国したばかりだという。
高藤氏は、3年間でフィリピンを10回ほど訪れているが、いずれもバカンスではない。白内障の手術を受けられずにいる人たちに、白内障治療に有効な洗眼液「Eye Love Water」を無償提供するために、フィリピン赤十字を訪れているのだ。

CEOの高藤氏
Eye Love Waterは、試行錯誤の末に3年の月日をかけて完成。白内障の母親や周囲の人に1日4回点眼してもらうと、1週間ほどで「視界から濁りが消えた」といった驚くほどの効果を得た。
そこで高藤氏は、より多くの人に使用してもらうために、厚生労働省の認可を得ようと奔走する。だが、認可を得るには、数千万ものお金と5年もの長い時間が必要とされた。
とても待ってはいられない。多くの人を早く救いたい?高藤氏は日本での認可を諦め、海を渡った。
フィリピン赤十字が1200人に使用
「アポイントもないままフィリピン赤十字に足を運んで、日本での効果のほどを伝えながら、無償で提供するのでぜひ使ってほしいと何度も頭を下げました」
その熱意にほだされてフィリピン赤十字は、Eye Love Waterの使用を決定。白内障で困っている1